Azure Functions の HTTP トリガー以外のトリガーを手動で実行する

タイマートリガーを手動で実行したいとか、そういう時の方法。
基本は下記ドキュメントに記載されている通り。

HTTP によってトリガーされない Azure Functions を手動で実行する | Microsoft Learn

例えばローカルデバッグ時に呼びたい場合は以下のように HTTP リクエストを行う。 (ここでは Visual Studio Code の REST Client を使う想定)

POST http://localhost:7071/admin/functions/triggerNameXXX
Content-type: application/json

{}

重要なのは下記 3 点。どれか一つでも欠けていると呼び出せない。

  1. POST メソッドで呼ぶ
  2. Content-type: application/json をヘッダー指定する
  3. Body 必須なので、空でも良いから指定する

Alexa デバイスのリンク先 Amazon アカウントの変更について

同じメールアドレスで複数の国の Amazon アカウントを作成している場合、Alexa デバイスのリンク先が期待する国のアカウントにならないことがある。 その場合に、明示的にリンク先の国を指定する方法について説明する。

問題となっている状況

  • 同じメールアドレスで複数の国の Amazon アカウントを所持している (例えば、amazon.co.jpamazon.com)
  • Alexa デバイス (Echo Show デバイスなど) で Amazon アカウントを入力した際、期待しない国のアカウントにリンクしてしまう (例えば、amazon.com のアカウントにリンクしたいのに amazon.co.jp のアカウントにリンクしてしまう)

やりたいこと

Alexa デバイスのリンク先を、amazon.co.jp のアカウントではなく、amazon.com のアカウントにしたい。

Alexa デバイスがリンクされているアカウントの確認方法

Amazon サイトにログインし、

  1. 「アカウントサービス」をクリック
  2. 「コンテンツと端末の管理」をクリック
  3. 「端末」をクリックすると、「Amazonバイス」に当該アカウントにリンクされている Alexa デバイスが表示される

以降の作業手順で想定している状況

同じメールアドレスで amazon.co.jpamazon.com にアカウントを作成していて、amazon.com のアカウントに対して Echo Show デバイスをリンクさせたいが、amazon.co.jp のアカウントにリンクしてしまう状況。

作業手順

  1. amazon.co.jpamazon.com のログインパスワードが同じ場合は、異なるパスワードとなるように変更しておく
  2. 当該 Echo Show デバイスで「設定」-「デバイスオプション」-「工場出荷時の設定にリセット」の順にタップし、リセットを実行する
  3. バイスのリセット後、「使用する言語を選択」画面が表示されたら、使用したい言語を選択する (ここでの選択はリンク先の判定には影響しない)。ここでは「日本語」を選択することとする
  4. 「視覚障がい者向けユーザー補助」「ネットワークに接続」は、適宜設定する
  5. AMAZONアカウント」画面が表示されたら、amazon.com のアカウント/パスワードを入力する。ここで amazon.co.jp のパスワードを入力してしまうと、その時点で amazon.co.jp アカウントにリンクしてしまうので注意
  6. 「デバイスを認証」画面で「www.amazon.co.jp/code」でコードを入力するように促されたら、「www.amazon.co.jp/code」ではなく、リンクしたい国のアカウントである「www.amazon.com/code」をブラウザで開き、コードを入力する。なお、このタイミングで「デバイスを認証」画面が表示されなかった場合、リンク先のアカウントは既に決定されている可能性がある (=失敗)
  7. コード入力による認証が成功したら、恐らくこの時点でデバイスのリンク先アカウントが確定し、この場合は amazon.com のアカウントに Echo Show がリンクされる。以降の画面では、リンクされたアカウントの国情報に従った設定画面が表示される (=成功)
  8. 念のため、当該 Amazon サイトで作業対象の Alexa デバイスが表示されることを確認

Azure (AZ) 試験の受験について

Azure の試験でメジャーなところを受けてみたので、実際に試験勉強や受験をしてみての感想をまとめます。

受験履歴

試験 参考書利用 書籍問題集利用 Udemy 講座利用 Udemy 問題集利用 MS Learn, Challenge 利用 受験日 受験費用 (正規) 受験費用 (支払) 点数
AZ-900
Microsoft Azure Fundamentals
2023/1/21 13,750 円 0 円
Virtual Training Day 受講特典
835
AZ-104
Microsoft Azure Administrator
2023/1/29 23,213 円 23,213 円 760
AZ-305
Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutions
2023/5/6 23,212 円 23,212 円 882
AZ-204
Developing Solutions for Microsoft Azure
2023/5/28 23,212 円 11,606 円
Cloud Skills Challenge 完了特典
700
AZ-400
Designing and Implementing Microsoft DevOps Solutions
2023/8/9 23,212 円 0 円
Cloud Skills Challenge 完了特典
790

なぜ受験しようと思ったか

正直、個人的には資格試験はあまり興味がなく、そんなところに時間使うぐらいだったら実際にアプリ開発した方が有意義でしょ派な自分だが、肝心のアプリ開発をする先もモチベーションもなく、年末頃に、この冬休み何もやることがないなとなってしまった。 それであれば仕事で使ってる Azure の資格試験でも受ければ、自分が普段仕事で使ってないところも含めて一度体系的に勉強出来るかなと思ったのがきっかけ。

なので、最終的には半年以上かけて 5 個の資格を取ったけど、最初は有名な(?)AZ-305 まで取れれば良いかなぐらいの気持ちで始めた。

自分の経歴的なもの

開発の仕事自体はもう 20 年以上。Windows 系の開発がメインで、その関係で言語も C# がメイン (と言うかもう最近はそれしかやってない)。

Azure やり始めてからは 6, 7 年ぐらい。Web apps, Functions 使った開発がメイン。Azure DevOps, Git, Pipeline, k8s (これは Azure は使ってない) は直近 3, 4 年ぐらいで使い始めた技術。

ただ、ここ数年は自分がメインで開発することはあまりなくなり、自分が関わってるプロジェクトで Azure は触ってるけど、Azure 系の開発としてはレビューしたり口を出す程度の状況。

勉強方法について

最初に記載した受験履歴にも書いてあるけど、自分が今回の試験勉強で利用した教材は主に以下。

種別 価格 実務への寄与度 試験への寄与度 想定必要時間 備考
参考書
(電子書籍)
0 - 3,000 円程度
(10% - 15%)
< 10h Kindle Unlimited 推奨
書籍問題集
(電子書籍)
0 - 3,000 円程度 非推奨 非推奨 < 10h Kindle Unlimited 推奨
Udemy 講座 2,000 円前後
(10% - 25%)
10h - 30h セール利用必須
Udemy 問題集 2,000 円前後 非推奨 小-大
(10% - 70%)
< 10h セール利用推奨
MS Learn, Challenge 0 円 中-大
(10% - 20%)
10h - 50h

それぞれ使った感想としては以下。

参考書 (電子書籍)

AZ-900 や AZ-104 については参考書がある程度存在するので、それを利用するのもあり。電子書籍スマホで読めて便利だが、教材によってはスマホで見るのに最適化されてないのもあるので(要は見辛い)注意。 一応勉強方法の一つではあるけど、後述する Udemy の方が便利と言うか、最終的に Udemy を使わざるを得なくなるので、特に拘りなければ最初から Udemy 講座の方が良いかもしれない。 参考書によっては Kindle Unlimited とか使えばタダで見れたりするので、一回も利用したことなければどんなものか無料期間とか利用して試してみるのも手(見てみないと自分に合う合わないもあると思うので)。

オンラインの教材と比較して一番の欠点は、更新されることがないこと。 そもそも Azure の技術自体が数年スパンで更新されていくので、必然的に試験内容の更新も早く、数年以上前に発行された試験対策本だと使う意義が薄いと思われる(とは言え AZ-900 であれば、数年程度であればそこまで状況変わらないかも)。

書籍問題集 (電子書籍)

正直言って、この選択肢を選択する意義はほぼない。基本的に問題集は試験対策特化で実務の役には立たないが、肝心のその問題ですら書籍だと時間経過による陳腐化が発生するので、やるだけ時間の無駄になる可能性が高い。

Udemy 講座

試験対策と言うよりは、試験範囲の把握と、実務レベルの知識向上の面で個人的にお勧め。 後述の MS Learn, Challenge と比べると、自分のやる気がなくても (良くも悪くも) 強制的に動画が進んでいくのと、やはり動画で説明された方が分かりやすい。 ただ、日本語だと AZ-900, AZ-104 ぐらいしかないので、他は必然的に英語の講座を受ける必要がある。字幕も表示できるので、英語の勉強にもなって一石二鳥ぐらいの気持ちで受けるのが良いと思われる。 スマホでも見れるが、動画なので基本は PC で視聴するスタイルになると思われる。

講座自体は結構あるが、評価が高いのを選べば間違いないと思う (そういうのはちゃんとアップデートもされてる)。英語の講座だと、どっちのおっさんの講座を選ぶみたいなほぼ二択の状況なので、受講する講座の選択を間違えるみたいなことは、ほぼないと思われる。

一点、注意事項としては、試験範囲の把握と実務的な知識向上には役立つが、「試験対策」と言う点で言うと、過度な期待はしない方が良い。 どの講座も講座本編とは別に想定問題集みたいなのがおまけで付いてることが多いが、恐らく講師が自分で考えて作成した問題で (まあ、それが普通と言えば普通なんだけど)、実際の試験では平気でクソみたいな問題を放り込んでくるので役に立つことが少ない。

Udemy 講座は定価ベースだと 2,000 円から 20,000 円ぐらいと値段に相当幅があるが、月に何度かセールを行っていて、結局そのセールでほぼ全ての講座が 2,000 円前後に収束するので、セール以外で買ってはいけない(定価 20,000 円とかのやつも、セール前提でそういう値付けしてると思われる)。

Udemy 問題集

実務レベルの知識向上などは一切投げ捨てて、ただただ試験に合格することだけを目的とした最終兵器。 玉石混合過ぎるのが玉に瑕だが、質が高い(?)問題集だと問題集の問題がそのまま試験に出てきたりすることもある(こんなんで良いのかと言うのは置いておく)。

ただ、自分が AZ 試験を受け始めた 2023 年初め頃は質の高いチートレベルの問題集があったけど、その後 Udemy による削除祭りっぽいことが起きて最後の方はゴミみたいな問題集しか出回らなくなっていたので、Udemy 問題集であれば何でも有効かと言うと、そうでもない。 基本的には講座と同じく、評価が高い(もちろん評価数も重要な指標)のがあれば期待が持てると思われる(が、そういうのは削除されやすい)。

収録問題数は問題集によってかなりバラツキがあるが、問題数が多ければ良いというわけではないので、注意(いくら問題が多くても、試験に出なかったら何の意味もない)。 講座と違ってスマホでも普通に見れるので、通勤時間などを利用した学習は非常に進めやすい。

なお、問題集についても日本語の問題集が存在するのは AZ-305 系統のみで、開発者向けの AZ-204, AZ-400 系統は少なくとも自分の時は英語版しかなかったので、その点は注意。 問題集も役に立たないものは存在するので、評価が高い問題集がなかったら無理に選択しないというのも一つの選択肢かもしれない(全く当たらない問題集に時間をかけるほど空しいものはないので。ただ、実際に当たってるかどうかは実際に試験を受けるまでは分からないのが難点)。

Udemy 問題集については定価がとんでもなく高いものは少ないが、講座と同様、セールでの購入を前提に学習スケジュールを組んだ方が良い。 また、可能な限り最新の問題集をやるのが良いので、試験日の目途がついてから購入とかにした方が良い(買ってから何か月も放置とならないように)。 質の高い問題集は Udemy 側で強制的に削除されることがあるが、その場合は申請すれば返金を受けることが出来るので、その点の心配は不要。

MS Learn, Challenge

AZ 試験の本家である MS が用意している試験用学習ドキュメント。Udemy 講座と同じく、試験範囲の把握と実務レベルの知識向上に利用できる。 自分の場合は AZ-204, AZ-400 の時だけ利用したが、内容的には結構勉強になるトピックもあり、これだったら他の試験時も利用しても良かったかもと思った。

弱点としても Udemy 講座とほぼ類似しており、これをやりきったところで「試験対策」と言う点で言うと、過度な期待は持てない。 また、Udemy 講座と異なりこちらは自分で進めていかないと何一つ進まないので、それが長所であり短所でもある。

分かりやすくて自分が興味持てる内容ならこちらの方が良いかもしれないが、中には何を言っているのか分からないトピックや自分が興味持てないトピックもあると思うので、そういうのだと一気に進みが遅くなったりする可能性がある。 良くも悪くも自分のやる気次第のコンテンツとなる。攻めの MS Learn、守りの Udemy 講座と言ったところ。 なお、試験にもよると思うが、試験に関連する全ての MS Learn を回ろうとすると膨大な時間がかかると思われるので、その点は注意。

後述するが、MS が提示した Challenge を全て完了することで受験料の半額や無料バウチャーをもらえたりすることがあるので、そういうキャンペーンをやっている場合は受けた方が金額的にもお得。

おすすめの勉強方法

自分のおすすめは、

  • 試験範囲把握、実務知識取得
    • Udemy 講座
    • MS Learn, Challenge(やりきるには相当のモチベーションが必要)
  • 試験対策
    • Udemy 問題集(適切な問題集がない場合もあるので注意。その場合は Udemy 講座の問題集などを集中的にやって代用するしかない)

となる。

各試験について

試験範囲は変わっていくので、注意。 例えば自分が AZ-204 を受けた時はちょうど VM からコンテナへ出題傾向が変わるタイミングだったので、VM に関する問題は今だとコンテナメインの出題になっている可能性がある。 メジャーな Udemy 講座であればフォローされているとは思うが、念のため自分で確認しておくのは悪いことではない。

変更内容は以下のように明記されているので、ここで「Deleted」とかなっている項目は要注意。試験勉強しても試験に出ず、意味がなくなる可能性がある。

AZ-305 の変更履歴

今回自分が受けた各試験について、以下に詳細を記載する。

試験 難易度 出題範囲 (自分の印象ベース) 備考
AZ-900 Microsoft Azure Fundamentals 初級 Azure の立ち位置的な視点で広く浅く
AZ-104 Microsoft Azure Administrator 中級 Azure AD, VM, Storage, VNET, ER など
AZ-305 Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutions 上級 Azure AD, VM, Storage, VNET, ER など 104 の上位版のような内容
AZ-204 Developing Solutions for Microsoft Azure 中級 PaaS 使った開発絡みのリソース
AZ-400 Designing and Implementing Microsoft DevOps Solutions 上級 Azure DevOps 204 との関連性は薄い

AZ-900 Microsoft Azure Fundamentals (初級)

技術者のみならず、営業なども含めた幅広い層に受けてもらうのを想定しているらしい試験。 AZ としては入門編なので普段 Azure で開発してるような技術者ならいきなり受けても受かる可能性あると思われる。 Azure の立ち位置的な視点で広く浅くの問題が多いが、システム支出モデルとか技術とは関係ない問題も出てくるので、あまり余裕ぶっこいてると技術者でも痛い目を見るかも。 その辺りをカバーするため、可能であれば参考書や Udemy 講座にささっと目を通しておいても良いと思われる。

なお、以前は MS が定期的に開催している「Microsoft Azure Virtual Training Day: 基礎」と言うウェビナーを受講することで無料バウチャーをもらえる可能性があったが、今は終了している様子。

AZ-104 Microsoft Azure Administrator (中級)

Azure 管理や接続、ネットワーク周り、VM 周りに重点を置いた問題が多い。 Azure AD やサブスクリプションの管理、ExpressRoute 設定などは通常のアプリ開発者では範囲外となることも多いと思われるので、注意。

自分の時は「どんだけ VM 好きなんだよ」と言うぐらい VM 使ってどうのこうのって質問が多かったが(自分は PaaS 派)、トレンド的には今後はコンテナメインに変わっていくのではないかと想像。 AZ-104 の出題範囲は AZ-305 の前段のような内容なので、ここでしっかりと勉強しておけば AZ-305 を受ける時に助けになると思われる。

AZ-305 Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutions (上級)

出題範囲は前述したように AZ-104 を更に拡大したような傾向。被ってる箇所も多いので、AZ-104 と AZ-305 どちらも受けるのであれば、あまり間をあけずに受けた方が効率が良いと思われる。

AZ-305 は Azure 資格としては多くの人が目指す資格らしく(?)、講座や問題集も比較的充実している方。

AZ-204 Developing Solutions for Microsoft Azure (中級)

位置づけ的には開発者向けの資格。試験範囲としては、Web apps や Functions、Database、ストレージ、メッセージ、Key Vault など、実際の開発でよく使われるリソースが中心。 ただ、実際の試験では自分の場合は何を問われているのか良く分からない問題が多く、完全に落ちたと思ってギリギリ受かった試験。 開発者向けの中級資格と言うことで当初は AZ 試験の中では一番苦労しないで取れるかなと考えていたが、出題は意味不明な問題をひたすら投げつけられるような感覚で結果的には一番厳しかった。

自分は以下の Challenge を一通り試したが、これは自分としては普段使ったことのないリソースの用途なども把握出来て、実務的には非常にためになった。

ただ、繰り返してしまうけど、実際の試験問題は今回受けた試験の中では断トツに酷い問題が多くて、頭を抱えることになった。

AZ-400 Designing and Implementing Microsoft DevOps Solutions (上級)

AZ-204 と同じく開発者向けの上級資格らしいが、こちらは DevOps 特化の資格となっていて、204 との関連性は薄い。 Azure DevOps や GitHub、Git、CI/CD を普段の開発で使っていないと厳しいかも。

自分の場合は以下の Challenge を試したが、分かりづらいモジュールが多かったのと時間的余裕があまりなかったこともあり、実際の消化率は半分以下だった。

受験方法について

リモートで受験する方法もあるらしいが、環境的な敷居が結構高そうだったので、自分の場合は全てピアソン VUE のテストセンターで受験した。 空きさえあれば前日でも予約出来て、テストセンターには免許とか証明できるものだけ持っていけば良いので、非常にお手軽(氏名の登録情報がローマ字の場合、日本語氏名記載の免許じゃダメか?みたいな不安も初めあったが、その辺りはそこまで厳密じゃないようで、問題なく本人確認可能だった)。 ただ、このテストセンターが意外とそこまで数がないので、自分が行ける範囲にあるかの確認は事前に必要。 また、全ての試験を全てのテストセンターで受け付けているわけではないようで、自分の場合最後に受けた AZ-400 だけはそれまで受験してた一番近いテストセンターで受けられず、別のテストセンターに行く羽目になった(結局テストセンターではオンラインで受験するのに、なぜ・・・)。

受験料については、MS がキャンペーンなどで半額や無料のバウチャーを取得できる施策を実施している場合があるので、利用したいのであれば都度確認すること。 なんちゃら Challenge みたいな一連のモジュールを全て受ければバウチャーもらえる系は、取りあえず最後まで進めればバウチャーもらえるので、時間がなければ何も見ずに最後まで進めてバウチャー取得して、モジュールは後からじっくりやるとかでも可。

なお、テストセンターで受験した結果は紙でもらえるが、オンラインでも確認可能。

最後に

冒頭にも述べたが、個人的には資格を持っているかどうかはそこまで重要だとは思っていないので(会社が必要としているとか、取引先が必要としているとかはあるかもだけど)、これを取ったからどうとかはあまり思うところがない。 ただ、資格取得に向けた試験勉強をすることで、Azure を使った開発について普段自分が触れない分野について学べることが出来るし、自分が使っているところについても「そういう方法もあったのか」など知らない知識を吸収することが出来るので、そういう意味では資格取得までのプロセスも含めて、意義があると思っている。

ただ、「資格を取る」だけにフォーカスしてしまうと、本当に意味がないかと思う。例えば Udemy 問題集については質の高い問題集だとそのまま試験に出たりすることもあるので、出題内容について理解してなくても問題集を繰り返しやって丸暗記していれば試験には合格できることもあるかもしれないが、それは本当に意味がないと思う。

とは言え、一生懸命勉強したのであれば、どうせなら試験には受かりたいし(例え勉強した内容が試験に出なかったとしても・・・)、受かることで次の試験を受けるモチベーションも湧いてくると思うので、過程だけではなく、試験に合格するという結果も、やはり必要と思う。 なので、その可能性を高めるためにも、Udemy 問題集などを使って合格の確率を出来る限り上げるのは、全然ありだと思っている。

資格取得用に勉強したところで、普段使っていなければ数か月もしないうちに8割方忘れ去ってしまうと思うが、何となく記憶の片隅に残っていて、「あ、これは確か、何か方法があったはずだよな」みたいなレベルであたりをつけてネットを調べることが出来れば、資格取得にかけた時間は十分元が取れていると思う。

「資格取得」と言う目標なんてなくても普段から貪欲に学習し続けられる人であればこういうのは不要と思うが、自分も含め大半の人はこういう目標がないと普段仕事で使わない分野についてまで勉強しつづけることはなかなか難しいと思うので、Azure 開発全般について体系的、網羅的に学習したいという目的達成のために、「資格取得」をそのモチベーションとして利用するのは一つの有意な方法だと思う。

Google Nest Cam バッテリー用ソーラーパネルのレビュー

Google Nest Cam の定期的な充電作業をなくすためにソーラーパネルと雨樋取付用オプションを買ったので、そのレビュー。

(Nest Cam 本体のレビューはこちら Google Nest Cam の使用感レビュー - poke_dev’s blog)


Index

買った製品

製品の主な特徴 (ソーラーパネル本体)

レビュー

肝心の使用感だが、いくつかに分けて評価する必要がある。下記項目に分けて使用感を記載する。

ソーラーパネル本体 (発電性能)

ソーラーパネル本体は発電性能ぐらいしか感想を言えるところがないのだが、発電性能には満足している。

製品の仕様上は、晴天の下であれば 5 時間で 2-3% の充電が行われると記載されているが、自分が計測した限りでは 11 月の一日快晴の下で 8-46% ほど充電された。日によって充電の幅がありすぎるが、いずれにしてもスペックよりは大幅に発電力がある印象。

長期間の評価はまだ出来ないが、この充電状態が継続されるのであれば、数週間全く晴れないなどの状況にならない限りバッテリー切れの状態には陥らないと思われる。

(2024/2/22 追記) 一年以上使っているが、一度もバッテリー切れの状態にはなっていない。極たまにバッテリー状態が確認できるが 60% を下回っているようなことは一度もなかったので、天候に左右されてバッテリー切れが発生するようなことはないと思われる。

なお、ソーラーパネルなので日光が良く当たる南向きに設置する必要があるのは当たり前だが、角度は 30 度ぐらいにすると、平均的に日光を受けやすいらしい (地域や季節なども影響するので、一概には言えないが)。

ソーラーパネルの取付について

本体の発電性能には満足していると書いたが、ソーラーパネルの取付については問題になる可能性が大きい。

これは Nest Cam 本体にも言えることだが、どちらの製品も基本的な取付スタンスは「マウント用の部品をネジにより壁等に固定し、そこに本体を取り付ける」となる。

要はネジを打ち込める木製の取付箇所が必要になるのだが、日本の住宅環境でこれを躊躇なく実行できる環境は、正直多くないと思われる。
ソーラーパネルを買うということは Nest Cam 本体の取付は行えている状況と思うが、本体の近く (4m 以内) で太陽光が十分に当たる場所にこのマウントを取り付けるのは、ある意味本体より難儀するかもしれない。


(写真右側のマウント部品を壁にネジで固定する必要がある)

Nest Cam 本体と同じく、付属品としては木製の壁に打ち込むネジ以外に、コンクリやブロックにドリルで穴を開けてそこにネジを打ち込む用の部品もついてはいるが、一般の人がこれを使うのは更にハードルが高いと思う。

自分の場合は後述する雨樋に取り付けるオプションを購入して、雨樋に取り付けた (ドリルやネジは不要)。

ソーラーパネルと接続した際の Nest Cam 本体の挙動

上述の 2 点は買う前に何となく想像がつくので良いのだが、この製品の問題と言うか難題は、ここから。

ソーラーパネルと Nest Cam 本体はもちろんケーブルで接続するのだが、この際、Nest Cam 側で正常にソーラーパネル接続が認識されない事が自分の場合はあった。 と言うか、自分の場合は最初の 2 か月ほぼこの状態が続いた。

Nest Cam 側の「電池」の状態としては、自分が知る限り以下のパターンに分かれる (Google Home App の「電池」画面で確認できる状態)。

状態 説明
電池 電源未接続
接続中 電源に接続中
太陽光 ソーラーパネルに接続中 (発電状態かは影響しない)


正常な状態であれば接続状況に応じてどれか一つの状態のみ表示されるはずだが、ソーラーパネルのケーブルを接続した場合、上記全ての状態が表示される可能性がある (少なくとも自分の場合はそうだった)。 Nest Cam 側の挙動としてはこの「電池」の表示状態に応じてカメラの挙動が変わるようで、具体的には以下のような挙動となる。

状態 カメラの挙動 電力消費
電池 検知設定に応じた挙動となる
接続中 検知設定等は無視され、カメラに映るエリア全てがカメラ起動のエリアとなる。録画時間も通常と比較し延長される
太陽光 検知については「電池」の状態と同じ挙動になる
給電はバッテリー残量が 70% 以下の場合のみ行われる


「接続中」状態の場合、カメラの復帰感度が非常に高くなり、バッテリーの消費が激しくなる。具体的には一日で 2, 30% 程度の電力消費が発生した事が自分はあった。この状態でも電源に接続中であれば問題ないと思われるが、ソーラーパネルを接続している場合は給電が追いつかず、充電されないどころかあっと言う間に電池がなくなる事態になる (通常一か月以上保つような場合も、数日程度でバッテリー切れになる可能性がある)。

ソーラーパネル接続時に「接続中」と表示される場合はアウトなので (誤認識の問題が発生している)、「太陽光」と表示されるまでケーブルの抜き差しを試してみる必要がある。その際、端子の汚れを拭き取るなども行っておく。なお、たまに「電池 (?状態も含む)」表示されることもあるが、これは恐らく一時的な表示で、許容できる。 「太陽光」表示されたら、その後も何度か確認してみて、「接続中」と表示されることがないか確認する。一度でも「接続中」と表示されたらケーブルの抜き差しを再度行う。

また、上述したように、誤認識の問題が発生している場合は「接続中」と表示される以外にも以下のような挙動が発生するので、これらの状態が発生していてもアウト。

  • ソーラーパネル未接続時と比較し、カメラの復帰感度が明らかに良くなっている (遠くの動きまで検知して起動する、対象物がカメラの範囲に入った瞬間に起動する、など)
  • ソーラーパネル未接続時と比較し、動画の記録時間が明らかに長くなっている (既定だと最大 30 秒)

何度ケーブルの抜き差しを行っても「接続中」と表示されてしまう場合、自分では他の対策方法が思い浮かばないので、必要に応じてサポートに問い合わせるなどしてください。

ちなみに自分の Nest Cam のソフトウェア バージョンは、2022/12/11 時点で nq-user 1.65 OPENMASTER 326080 となっている。2022/11 に見た時は nq-user 1.63 OPENMASTER 319576 だったので、自動でアップデートはしている様子。ソフトウェア バージョンによってこの辺りの挙動が変わるかは不明。

Google Home App (Android アプリ)

Nest Cam がソーラーパネルに接続されているかなどは Google Home App で確認することになるが、正直、相当イケてない。 自分の場合は、「ソーラーパネル接続した時の情報なんだし、毎時の発電量とかアプリで見れるんだろうなぁ」とか勝手に期待をしていたが、実際は全く違っていた。

Google Home App で確認できるのは、設定画面から見れる電池の状態が「太陽光」と表示されることで、ソーラーパネルに接続されていると Nest Cam が認識しているかの確認のみ。 また、どうしてそんな仕様にしてしまったのかは分からないが、「太陽光」表示の場合は、バッテリー残量が 20% 以下にならない限り現在のバッテリー残量が表示されなくなる (ソーラーパネルに接続していなければバッテリー残量は常に表示される)。 バッテリー残量が表示されていない状態でどうしても今の残量を知りたいのであれば、ケーブルを一時的に外す必要がある。

バッテリー残量 アプリ上の表示
100-21%
20% 以下


その他、「ライブ」画面を表示した場合の挙動も変わる。ソーラーパネルが接続されていない場合は「ライブ動画」ボタンをタップするまではバッテリー残量が表示されているだけだが、ソーラーパネル接続時は常にライブ動画を表示するようになってしまう。これは仕様らしく、元の挙動に戻すようなオプションも用意されていない (最初はこのせいでバッテリーが異常に消費されているかと思っていたが、電力消費問題とこの挙動自体はあまり関係ないようなので、あまり気にせずアプリがそういう挙動に変わってしまったと諦めるしかない)。

(番外編) 2-in-1 雨樋マウント

ソーラーパネルの取付の項目に書いたように、ソーラーパネル取付用に付属しているマウントを使った設置は、かなりハードルが高い。 自分の場合も最初はどうにかなるかと思っていたが、実際に取り付けを試してみると設置に適した場所がほぼないと言うか、失敗覚悟でドリルで壁に穴を開けて設置するしか選択肢がなかった。 そのため、別途オプションで売られている雨樋に取り付ける用のマウントを購入して、これを使うことで満足のいく設置が行えた。

雨樋用ではあるが、ノブスクリューを挟む場所があれば恐らく雨樋と同じように取り付けられるはず。 ちなみにこの商品、ソーラーパネルと Nest Cam 本体を同時に装着出来る 2-in-1 仕様となっている。自分の場合 Nest Cam 本体は既に設置済みだったのでソーラーパネルの取付だけ行えれば良かったのだが、オプションのマウントはこの商品しかなかったので仕方なく買った経緯がある (何でこんな追加出費をしなきゃいけないのと言う思いはあるけど、ないよりはマシ)。

一点注意点として、この製品は各パーツ毎に分かれているので初めに自分で組み立てる必要があるのだが、これが自分は相当難儀した (途中で諦めそうになった)。 具体的には (英語の) 説明書を見る限り、大・中・小のネジが各 2 つずつ付属しており、小のネジ 2 つを使ってパーツ間の固定を行うと記載されていたのだが、そもそも小のネジが 1 つしか付属してなかった。 ただ、色々試したところ、たぶん説明書が間違っていて(?)、説明書に記載されているパーツ間の固定には中のネジ 2 つを使い、且つ、小のネジは横から固定するための穴に使うことで、結果的にはうまく組み立てることが出来た。

まとめ

Nest Cam との接続がうまく行ってくれさえすれば、期待するノーメンテナンス充電が行える (本来はそれが当たり前なんだけど)。

ただ、自分の場合は 2 か月近くうまくいかず、こんなの不良品だろと思いながら Google のサポートとやりとりを続けて、投げ捨てそうになった直前でたまたま(?)うまく認識されるようになった経緯があるので、こんな不安定さだと正直他の人にお勧めとかは出来かねる。

認識がおかしい場合、自分が試したような方法でうまく認識されるのであれば良いが、それでもうまくいかない可能性はあると思うので、可能であればまずはソーラーパネル本体だけ買って、期待するような充電が行えるか確認してから雨樋マウントなどを追加で購入した方が無難かと思われる。

また、上述したように Google Home Apps の作りは必要最低限レベルなので、アプリで発電量を確認したいとかそういうのを期待してはいけない。むしろ今まで確認できていたバッテリー残量が非表示になったり、ライブ画面が強制的に常時ライブ表示状態になったり、アプリの使い勝手は悪くなると思った方が良い。Google としては、ソーラーで常に充電されてるんだからバッテリー残量とか分かる必要ないよね?バッテリー気にする必要がないんだから常にライブ表示した方が手間ないよね?みたいなことを言いたいのかもしれないが、ユーザー的に思うところがあっても受け入れる以外に方法がない。

などと色々書きましたが、「正常に動く」と言う前提であれば、一番の目的である「毎月充電のためにカメラ本体を取り外し、再度取り付ける作業からの脱却」は達することが出来るので、(正常に動く前提で) 個人的にはお勧めです。

.NET を使った Alexa スキル開発の参考情報など

Alexa スキルを Azure Functions (C#) で作成したエンドポイントで処理する開発を行う場合の参考情報など

.NET 関連

リクエストの処理

JSON リクエスト/レスポンス

マルチモーダル

AMAZON.RepeatIntent

APL

データバインディング

Datasource

Headline

Image

  • Imagery | Alexa Design Guide
  • Image | Alexa Skills Kit
  • 配置の基本
    1. imageWidth と imageHeight に設定が Bounding box として設定される。所謂 Image コンポーネントのサイズ
    2. imageAspectRatio は width と height のどちらかしか設定されなかった場合に、もう片方の設定を予め用意された比率を使用して決定し、Bounding box サイズを確定するために使えるが、予め用意された比率で期待した表示となる場面はほとんどない気がするので、使用は考えなくて良い
    3. imageAlignment の位置に画像が初期配置される
    4. imageScale の設定に従って、必要に応じて Bounding box のサイズまで画像が拡大、縮小される
      • none: 画像オリジナルのサイズで配置されるのみ。Bounding box のサイズを超える場合は、超えた部分はカットされる。Bounding box のサイズに満たない領域はスペースになる
      • fill: 画像オリジナルサイズの比率は関係なしに、Bounding box の領域を全て埋めるように画像を拡大する
      • best-fill: 画像オリジナルサイズの比率は保ったまま、Bounding box の領域を全て埋めるまで画像を拡大する。Bounding box のサイズを超えた部分はカットされる
      • best-fit: 画像オリジナルサイズの比率は保ったまま、Bounding box の縦横どちらか目いっぱいまで画像を拡大する。拡大した結果 Bounding box のサイズに満たない領域はスペースになる

スキルカード

実機でのテスト

Blog

リワード

スキル公開後に、アクセス権限を追加した開発版のテストを行いたい場合

アクセス権限を変更した場合、デバイスの設定で当該スキルにアクセス権を許可する必要があるが、スキル公開後に開発版で開発を行っていると、デバイスの設定で出てくるスキルが公開版のスキルになるため、開発版のアクセス権のテストが行えない。

この場合、ベータテストの機能を使ってアクセス権限のテストを行える。なお、ベータテスト機能を使っても Alexa シミュレータには反映されないようなので、テストは実機で行う必要があることに注意する。

  1. 開発版のスキルで、アクセス権限を有効にする(設定変更後、モデルのビルドも行う)
  2. 「ストアでのプレビュー」画面で、「プライバシーポリシーのURL」を設定する。ベータテストを有効にするには公開する時と同様の状態にする必要があるが、アクセス権限が必要なスキルはプライバシーポリシーなど追加の設定が必要になり、これらが予め設定された状態でないとベータテストを有効に出来ない。なお、あくまで必須項目に設定が入っているかが問題になるだけで審査等が行われるわけではないので、この時点では適当な URL を入れておくだけでも構わない
  3. 「公開範囲」画面で、ベータテスター機能を有効にして、自分がテストに使用しているメールアドレスをベータテスターのメールアドレスに追加する
  4. 先ほどベータテスターとして追加したメールアドレス宛に招待メールが届くので、「Enable Alexa skill "スキル名"」のリンクをクリックする (日本語環境でテストする場合は JP customers の方のリンクをクリックする)
  5. Web の Alexa スキル管理画面 (https://alexa.amazon.co.jp/spa/index.html#skills/your-skills/?ref-suffix=ysa_gw) が開くので、アイコンに「devJP」とマークが入っているのを確認したうえで、スキルを有効にする。これで開発版のスキルが有効になる。またこのタイミングで、公開版のスキルは無効になる(入れ替わる)。Alexa スキル管理画面でも、有効なスキルとして「有効」ではなく「開発」のカテゴリに表示されるようになる
  6. 以上で開発版のスキルのアクセス権限周りのテストが可能になる

参考

IT フリーランス向け確定申告時、所得控除の理解

個人事業主で確定申告する際、経費や青色申告特別控除、社会保険料控除など収入から色々な控除を行って最終的に納税金額が算出されるが、どういう流れで控除が行われるかを説明する。

注意事項

自分の理解のためにまとめただけで、誰かに相談したわけでもないので間違ってる可能性があることはご了承ください。
記載内容は 2022/2 時点のものなので、将来的に状況が変わっている可能性はあります。

これ書いた人の状況

去年から個人事業主で IT をやっている。確定申告は初めて青色申告やったところ。
株もやってるので株式の譲渡益の扱いについても注意点を記載。

所得税の算出フロー

所謂、確定申告で提出する納税額。国に対して納める税金。
まず収入があり、以下のように経費や所得控除を引いていき、最終的に納税金額が算出できる。
後述する住民税、国民健康保険料の算出も、基本的な考え方は同じ。

  • 収入 - 経費 = 所得
  • 所得 - 所得控除 = 課税所得
  • 課税所得 x 税率 = 納税金額

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経費項目の詳細

項目 控除額 説明・注意事項
経費 経費計上分 事業の経費
専従者給与 設定した青色専従者給与分 ・届け出をした家族の給与
・給与額は自分で設定する
・配偶者・扶養控除とは両立できないので注意
青色申告特別控除 最大 65 万 e-Tax or 電子帳簿保存していない場合は 55 万
経営セーフティ共済 最大 240 万 掛け金は全額経費にできるが、解約時には全額がその年の所得になるので注意。毎年の収入に波がない場合、ただの先延ばしにしかならない。

所得控除項目の詳細

項目 控除額 説明・注意事項
社会保険料控除 前年納付金額 支払った保険料・掛け金全額 (配偶者や扶養親族分も含む)
国民健康保険
国民年金
国民年金基金 (掛け金上限は iDeCo と合算)
介護保険
・厚生年金
小規模企業共済等掛金控除 最大 84 万 (小規模企業共済)
最大 81.6 万 (iDeCo)
・小規模企業共済、iDeCo 共に、掛け金全額
iDeCo の掛け金上限は国民年金基金との合算
生命保険料控除 最大 12 万 (4 万 x 3) 下記カテゴリで、それぞれ最大 4 万円の控除 (8 万円の保険料支払時)
・一般生命保険
・介護医療保険
個人年金保険
地震保険料控除 最大 5 万 支払った保険料全額 (自宅兼事務所の場合は按分が必要)
寡婦、ひとり親控除 27-35 万 未婚のひとり親が利用可能
勤労学生、障碍者控除 27 万 確定申告をする本人が勤労学生または障碍者の場合に利用可能
配偶者控除 13-48 万 ・青色専従者とは排他
・確定申告をする本人の所得が 1,000 万以下の場合に利用可能
扶養控除 38-63 万 (x 扶養人数) ・青色専従者とは排他
・扶養親族がいる場合、その人数分利用可能
基礎控除 48 万 所得金額 2,400 万以下なら適用
雑損控除 災害や盗難での損害時に利用可能
医療費控除 最大 200 万 ・10 万円を超えた医療費が対象 (保険金の受取金額も除外)
セルフメディケーションとは排他
寄附金控除 ふるさと納税もこのカテゴリ

個人的なお勧め控除項目

小規模企業共済、生命保険、iDeCo or 国民年金基金は最優先での検討項目になる。 それぞれ最大まで控除を使えれば、これだけで 84 + 12 + 81.6 = 177.6 万円の控除ができる。

他、青色専従者、配偶者、扶養も可能な限り使用したい (年金暮らしの親がいるなら、青色専従 or 扶養に入ってもらうなど)。

なお、経営セーフティ共済については効果だけ見ると年に最大 240 万円経費にできるので非常に強力に見えるが、解約時には掛け金全額が所得として返ってきてその年の課税対象になるので使い方が難しい。 収入に波がある場合は、利益が大幅に出た年に掛け金増額し、少ないタイミングで解約することで課税金額の平準化に使用できるが、特にそのような波がない場合は解約するタイミングに苦労すると思われる。

少し変わった扱いとしては、ふるさと納税がある。これは控除額を増やすというよりは、最終的に確定した課税所得分の枠の範囲内であれば、ただ同然でふるさと納税返礼品をゲットできるお得システムだが、「確定申告する課税所得」によって利用可能金額が変わるので、個人事業主は利用可能金額の予測がしづらく使い辛い面がある (確定申告する時点では既に対象年のふるさと納税期間は終了しているため)。 とは言うものの、可能な限り利用可能金額の限度いっぱいまで使っておかないとある意味損なので、11 月ぐらいまでは抑えめに利用しておき、12 月になってほぼ仕訳データの入力が終わった時点で一度課税所得を算出してみて (会計ソフト使ってれば確定申告処理を仮で行うだけなので、楽)、枠ギリギリまで使うのが良いと思われる。

参考

個人事業主のふるさと納税上限額はいくら?計算方法をやり方を紹介 – 森の食卓

住民税の算出フロー

県・市に対して納める税金。確定申告すると税務署から市役所に確定申告データが送られて、それを基に市役所で住民税の算出を行うため、市役所に対して別途申告する必要は通常ない。
所得税のフローと比較すると、収入から経費を引いて所得を出すところまでは同じで、その後の所得控除以降が住民税個別の処理となる。
とは言うものの、所得控除項目は基本的には所得税の所得控除と同じ様子。 控除額については異なるが、自分が確認した限りは、大体所得税の控除額の 9 割位に下がってる感じ (社会保険料控除や小規模企業共済等掛金控除など、全額控除となるものは住民税の場合も全額控除)。

まとめると、住民税の算出フローも基本的には所得税の算出フローに沿う形になり、経費や所得控除など節税努力した項目は、住民税でもほぼそのまま反映される。

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所得控除項目の詳細

住民税の算出は各市区町村で行うので、控除の詳細は自分の住んでいる市区町村のサイトなどで確認する必要がある。 とは言うものの、ほぼほぼどこも同じ様子 (差異があったとしても誤差レベル)。 上述したように確定申告時の項目とほぼ同じ項目、同じような効果で控除が行われるので、住民税の節税対策を別途考慮する必要はない。

国民健康保険税の算出フロー

所謂、国民健康保険料。任意継続や国保組合を利用しているなどであれば関係ないが、IT フリーランスだとほぼほぼ皆さん国保に加入しているはず。 住民税と同様、国保についても保険料算出は市役所の方で行い、算出フローもほぼ同じではあるが、所得控除項目が基礎控除しかないのが大きな違いとなる。 このため、経費による節税は国保でも引き続き有効だが、小規模企業共済など所得控除による節税は、国保の保険料算出には影響しない。

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所得控除項目の詳細

上述の通り、所得控除項目が基礎控除しかないため、所得控除項目による節税は不可。

株式の売買を行っている場合の注意点について

株式の売買を行っている場合、基本的には申告分離課税を選択して確定申告することになると思うが、一点注意が必要な点がある (詳細は後述)。

まず、所得税、住民税については、申告分離課税を選択することで事業所得に対する課税とは分離され、特段考慮必要な事項はない (特定口座で源泉徴収済みのはずなので、確定申告時に更に課税されるような話でもない)。

※ 以下は自分の勝手なイメージ f:id:poke_dev:20220213021313p:plain

申告分離課税を選択した際の国民健康保険税算出への影響について

所得税、住民税には影響しないが、国保の算出だけは、実は影響する。
国保の課税対象所得は、「総所得金額」となっているのだが、この定義は「総所得 (事業所得)」+「分離課税として申告された譲渡所得」で構成されている。 つまり、分離課税で株式の利益を申告した場合、以下のような算出フローとなる。

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よって、仮に事業所得と同額の株式譲渡所得が発生していた場合、国保保険料は事業所得だけの時と比べると倍になる計算になる (はず)。

株式の譲渡益を国保の算出対象から外したい場合の対応について

株式の譲渡益を国保の算出対象から外す方法が実はあり、その方法としては、「確定申告は申告分離課税を選択した場合でも、住民税は申告不要を選択する」となる。 通常、確定申告で申告分離課税を選択した場合、その情報でそのまま市区町村にも連携されるので、住民税の算出時も申告分離課税が使用される。 この住民税の算出方法として「申告不要制度」を別途選択することが実は可能で、この選択をした場合は「株式の譲渡益」が「総所得金額等」に含まれなくなるので、結果的に国保保険料の算出対象からも外れる。

ただ、確定申告は申告分離課税を選択し、住民税は申告不要を選択したい場合、市区町村にその旨の依頼をする必要がある。この依頼をしないと、住民税も自動的に申告分離課税で処理される。

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申告不要制度を利用した場合、当たり前だが申告分離課税のメリットは受けられないので、その点は注意。

(自分も実際に住民税の申告不要制度を依頼したことはないので、認識間違ってるとこあるかも・・・)

参考

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国保保険料の限度額について

国保保険料については天井があり、大体 100 万円ぐらいが限度額となっている。 そのため、仮に事業所得で 1,000 万円ある場合はその時点で国保保険料の上限に達しているので、それ以上いくら所得が増えようが国保保険料が上がることはなく、上述した株式の譲渡所得の考慮も不要になる (はず)。

マネーフォワード クラウド確定申告での次年度繰越処理

マネーフォーワード クラウド確定申告を使用して確定申告処理が完了し、次年度に繰り越しを行う際のポイントについて説明。

補足

ここでは前年度の確定申告が完了した上で次年度繰り越しする場合の手順について説明しているが、前年度分の入力が確定していなくても翌年の入力は開始することができる。詳細は以下を参照。

前提

  • マネーフォワード クラウド確定申告を使用して前年度の確定申告が完了している

作業手順

  1. マネーフォワード クラウド確定申告のサイトで左メニューから [決算・申告] - [次年度繰越] をクリック

  2. 次年度繰越画面で繰越設定を確認した上で、「データを繰り越して次年度を作成」をクリック (注:電子帳簿保存法に対応する機能を翌年から使用する場合、「仕訳履歴保存機能を利用する」にチェックを入れておくこと。下記参考画像だとチェックを入れていないが、この状態で繰り越すと仕訳履歴保存機能が利用できない状態で繰り越しが行われる)

  3. 次年度への繰越が行われ、次年度の画面に切り替わる

  4. 前年度使用していた勘定科目や家事按分情報なども引き継がれているので、継続して今年度の仕訳を登録できる

補足

  • 前年の「事業主借」と「事業主貸」は繰越の時点で結果的に翌年の「元入金」に組み込まれる形になる。翌年の「事業主借」と「事業主貸」は 0 円からの開始となり、特に作業は不要

「仕訳履歴保存機能を利用する」が次年度繰越後にチェックできなくなってしまった場合

電子帳簿保存法に対応する機能を使用するには「仕訳履歴保存機能を利用する」にチェックを入れている必要があるが、この設定は仕訳が 1 件も登録されていない場合にのみチェック可能となる。

次年度繰越時には「開始仕訳」が翌年の仕訳データとして自動で作成されるため、「仕訳履歴保存機能を利用する」をチェックせずに繰越を行うと、結果的にこの設定はチェック不可な状態になってしまう。 また、この状態で前年度に戻って再度繰越をしようとしても、当該チェックボックスはグレーアウトされてチェックできない状態となる。

繰越直後にこの状態に気づいて、「仕訳履歴保存機能を利用する」をチェックしたい場合は以下の操作を行う。

  1. 次年度画面で、[会計帳簿] - [仕訳帳] を開く

  2. 「開始仕訳」の右側の「︙」をクリックして削除し、仕訳が未登録の状態にする

  3. 画面右上の「<」をクリックして前年度の画面に戻る

  4. 再度「次年度繰越」画面を表示すると、今度は「仕訳履歴保存機能を利用する」がチェック可能な状態になっているので、チェックしてから、「データを繰り越して次年度を作成」をクリックする

  5. 次年度繰越処理が行われ、開始仕訳が再度登録される。且つ、「仕訳履歴保存機能を利用する」にチェックが入った状態となる