個人的な伐木等の業務 18H (チェーンソー) 講習の受講

庭木の手入れ用にチェーンソーを使いたくなり、アマゾンで買ったは良いものの使い方のつの字も分からず、こんな状態で使うのも危なさそうなので講習が受けられるところを探して、掲題の特別教育の講習を受けたので、その経緯を記載。

なお、後述しているが、チェーンソーを使った伐木業務では事業者が労働者に対してこの特別教育を修了させている必要があるが、庭木の手入れなどで個人的に使う分には関係ないので、チェーンソーを使うのに本講習の受講が必須と言うわけではない(何かあっても単純に自己責任)。ただ、自分が調べた限りチェーンソーの講習はこの特別教育ぐらいしか見つからなかったので、一から学びたいとかであれば、この特別教育を受けるのが手っ取り早いかと思われる。

本特別教育の内容は、以下の通り。

学科 (9h)

内容 時間
伐木等作業に関する知識 4h
チェーンソーに関する知識 2h
振動障害及びその障害に関する知識 2h
関係法令 1h

実技 (9h)

内容 時間
伐木等の方法 5h
チェーンソーの操作 2h
チェーンソーの点検及び整備 2h

講習先選び

まず、近場で目的の講習を行っているところを探す必要がある。正直、掲題の特別教育の講習はやってるところがめっちゃ少ない。 自分の場合は以下のコマツ教習所が一番近かったので、こちらを選んだ。

特別教育|講習日程を見る|コマツ教習所

インターネットで探してみると似ている名称の講習を行っているところが見つかったりするが、中には学科のみの講習を行っている場所もあったので、間違えないように注意する (本当に知識を付けたいだけであれば、学科だけでも良いのかもしれないけど)。3 日間(学科 9h+実技 9h)やる講習であれば、間違いないと思われる。

ちなみに、講習しているところが少ないのに加え (一つの県で数箇所とか、そういうレベル)、自分が確認した限りどこも開催頻度が非常に少なくて大体月に一回ぐらいしかやっておらず、自分が探した 2020/10 だとどの講習先も直近 2 ヶ月ぐらいは予約が埋まっていた。時期によるかもしれないが、すぐ受けたいとかは難しい可能性があるかもしれないので、注意。

講習申し込み

ここからは、選んだ先による。自分の場合は上述したようにコマツ教習所になる。

コマツ教習所の場合は Web サイトから講習受けたい日を仮予約して、申込用紙の PDF ファイルをダウンロードできるので、それを印刷して、必要事項記入して郵送する必要がある (全部 Web で完結できれば楽だとは思ったが)。

注意点としては、仮予約から一週間以内に申込用紙を郵送する必要があるようなので、取り敢えず先に申込用紙をダウンロードだけしておくかとかは出来ないことに注意。

一週間もしないで受講料の振込先口座が記載された受講票が届くので、入金して、申込みは全て完了。

講習一日目

必要な持ち物は、受講票、申込時にコピー添付した本人確認書の原本(免許証とか)と書くもの(教本にマーク付けるとか程度)ぐらい。 講習受ける建物の入口で証明写真を撮って(最終日にもらえる修了証で使用される)、そのまま講習受ける教室へ。

教本がもらえるので、その教本の内容をベースに、丸一日座学となる。 自分の時は 16 人ぐらいいたが、おっちゃんから若いねーちゃんまで多種多様。ただ、これはある程度予想していたが、基本的に全員、林業・造園業などの仕事関係者。翌日以降の実技では安全靴や革手袋、ヘルメットなど必要になるので借りたい人はその場で申請するのだが、安全靴も含めて全て借りたのは自分ひとりだけだった(ちょっと恥ずかしい・・・)。そんな感じなので、会社の作業着なのかもしれないが今すぐにでも実技始められそうな格好で来てる人も、ちらほらいた。ぶっちゃけ自分としては「安全靴ってどういうのですか?」とか聞きたいレベルだったんだけど、心を無にして取り敢えず全部レンタル。

講習を受け始めるとすぐ分かるが、内容としては本当に(?)、チェーンソーを使って山で伐木作業をする人のためのもので、年数回程度、庭作業でちょっとチェーンソー使いたいんですみたいな人は、正直お呼びでない感じ(チェーンソーは毎日手入れしてくださいとか、そういうレベルの内容なので)。大径木(直径 40cm 以上とか)の伐木とか、正直うちの庭の木の相手している限り絶対にやることないよねとは思うが、法改正とか何とかで半年ほど前に小径木と大径木の特別教育が一つにまとめられてしまったらしく、小径木だけ教えて下さいとかは不可。以前は 2 日で講習終わっていたらしいが、今は学科 9h+実技 9h の計 3 日間必要になったとのこと。

初日は本当に丸一日教室で勉強するだけだが、伐木(要は山で木を切り倒す作業)の仕方やチェーンソーの仕組み、メンテナンス方法など、ほぼ 100% 初めて知る情報なので、分からないことが分からないレベルの素人がついていくのはなかなか大変。

講習二日目

必要な持ち物は、受講票、書くもの(学科試験で使う鉛筆シャーペン)ぐらい。実技で安全靴、革手袋、ヘルメットが必要になるが、上述したように自分の場合は全部借りた。ちなみに安全靴というのは、凄い硬い感じの靴で(叩くとコンコンなる感じ)、たぶん物を落としてもこれであれば足が潰れないんだろうなって感じの靴だった。実技では丸太とかチェーンソーなど重いものを扱うので、確かに安全靴じゃないと万が一がありそうかと思った。

二日目の講習は、2 時間学科を受けた後、簡単な試験となる(学科の話をちゃんと聞いてれば誰でも回答できるレベル)。この日の学科では法令についても話があり、事業者はちゃんと安全措置や講習などを労働者に行わせる必要があり、守られない場合は罰則があると言うことで、事業者じゃなく単に個人でチェーンソーを使う場合はどうなのか聞いたところ、個人的に使う範囲であればこの法令の対象ではないので、単純に自己責任で扱う必要があるだけとのことだった。

試験の後は、実技。チャップス(足の防護服)の装着、かかり木(伐倒した木が他の木にかかっちゃった状態の木。処理しないと危険)の処理、チェーンソーのソーチェン(所謂チェーン)の脱着作業を行う。

かかり木の処理もソーチェンの脱着も汚れる作業なので(当たり前だけど)、服装はそういうのに耐えられる服装である必要がある。(冬場ということもあり)自分の場合は上はダウン、下はジーパンで参加したが、ジーパンで参加してるのはぶっちゃけ自分だけだった。登山で使う装備の方が、まだそれっぽかったかもしれない。ただ、言うてそんなにハードな作業をするわけでもないので、汚れる以外にそれほど支障があるわけではない。汚れてもよく、作業しやすく、肌が出ない長袖長ズボンであれば取り敢えず OK な感じ。

自分的には、必要装備が全部レンタルと言う負い目(?)もあり、実技の方はやや気が重かったが、上述したように始まってみれば特に問題なく、作業自体はどれも初めての作業なのでなかなか面白かった(但し、かかり木の処理は山で伐木する時に必要になる作業なので、自分の場合は必要になること絶対にない・・・)。

講習三日目

最終日は全て実技。必要な持ち物は前日実技で使った装備に加えて、フォレストヘルメット、保護メガネ、防振手袋などが追加で必要。ただ、フォレストヘルメットとか流石に林業関係の人しか関係ないようなやつは、ほとんどの人が借りてた。自分の場合は引き続き全部借りた()。一応、最後修了証を受け取る時に印鑑がいるが、サインでも OK なので必須ではない。

最終日の実技は全てチェーンソーを使った作業なので、この講習の中で一番重要。エンジン用ガソリンや、ソーチェンに流すオイルの投入、エンジン始動・停止、オイルの出のチェック、エンジン式チェーンソー、電動チェーンソーを使った玉切り、受け口作り、つっこみ切り等など、一通り(?)の操作を実際に行う。また、清掃、点検や、ソーチェンの目立てなどのメンテナンス作業も行う。やることがあまりに多いので、この日やっただけで全部覚えるのは困難だが、後から思い出すとかは出来るはずなので非常にためになる。正直、これを素人が誰にも教わらず正しく実行するのは、無理があると思われる。

なお、最終日は実際にチェーンソーを使って切る作業を行うため、オイルや木くずまみれ(やや大げさ)になる前提の服装でのぞむ必要がある(自分は相変わらずダウン+ジーパンだったけど、オイルの飛び跳ねとかを考えると、そういうのを前提とした作業着が望ましい)。

実技終了後、修了証をもらって講習は全て完了。

まとめ

本特別教育は山で伐木(木を切り倒す)する人をターゲットとしたカリキュラムなので、個人的な庭木の手入れ程度の目的でチェーンソーを使いたいような人が受ける内容としては、オーバーすぎる。山で伐木なんてしないし、かかり木(伐木した木が他の木にかかってしまう)の処理もあり得ないので、たぶんカリキュラムの半分ぐらいは、実際に必要となる場面はないと思われる。

ただ、木を切るにあたっての危険性や、安全な切り方、必要な装備、チェーンソーの仕組み、メンテナンス方法など、残りの半分はチェーンソーを使うにあたって非常に有益なので、これらを学ぶ必要がある(と自分は思っている)以上、本特別教育を受けるのが一番手っ取り早いと思った。

後、今回自分が受講したコマツ教習所は、結果的に実技で必要な装備は全て借りることが出来たので、これが自分的には非常に助かった(事前の情報では、必要な装備のうち「安全靴」だけは貸出可能リストに入っていなかったが、自分が受講した場所では結局借りることが出来た)。受講生がそもそも関係者多数なので、基本的に全部借りるような人はほとんどいないと思われるが、自分みたいに「安全靴」の定義がそもそもわからないような素人個人受講生にとっては、間違いがない装備を全て借りられるのは、非常にデカかった。受講したいけど、実技で使う装備を借りられるか分からない、などある場合は、事前に確認した方が良いかもしれない。

また、実技は外で行うため、天候を気にかける必要は少しあるかもしれない。自分の時は真冬とはいえ、晴れていたので寒さ以外は特に問題にならなかったが(マスクも付けてたのでメガネが曇るとかはあったけど)、これが雨や雪の中だと、相当厳しそうな気がした(装備としてカッパもリストに入っていたので、ある程度の雨とかであれば雨天決行するのだと思われる)。予約自体、何ヶ月か先になる可能性が高いので、雨、雪を気にしてもしょうがないが、梅雨時とか、真夏、真冬などは避けられるのであれば他の時期に受けた方が、実技が楽だと思った。

まとめとして、講習料 2 万 2000 円と丸三日間の講習とはなるが、同じような状況の人は、可能であれば受けた方が良いかと思います(よくわからないまま使って大怪我する前に)。