会社員から個人事業主に変える時の手続き周りのメモ

これまで IT 派遣で仕事していたが、個人事業主に変えて働く事になったので、その時のメモなど。
備忘録としてまとめてはいるが、まだ確定申告前の状況で、不明点を税理士などに相談しているわけでもないので、その点に留意すること。

自分の状況について

  • 仕事内容はシステムエンジニア。仕事量は現状は安定している (派遣で働いていた時とほぼ同じ)
  • 会社員 (派遣) をやめてフリーランス (個人事業主) に変更。切り替えは離職後即で、無職期間はなし
  • 契約はエージェント経由
  • 独身。実家で親と同居
  • 確定申告は一応青色申告予定 (まだ一年目なので、最終的に出来るかは不明)
  • 税理士は可能であれば利用しない方向で

開業前の作業

  • 事業用銀行口座の準備 (残高を 0 円にした上で記帳しておく。ただ、自分の場合はそうしたが、開業時に残高あっても記帳で処理されていれば問題はないはず)
  • 離職後に国保国民年金の申請を早めに行うため、離職票の送付は離職前に会社へ依頼しておくのが良い
    -> 自分の場合、離職後に依頼して離職票が届くまで一週間以上かかった
  • 会社員を辞めた翌日の作業
    • 失効した健康保険証の返却 (国保国民年金への切り替えに健康保険資格喪失証明書が必要になる可能性があるので、すぐ返却する) -> 自分の場合は返却から健保資格喪失証明書が届くまで、一週間ほどかかった

開業直後に必要な申請・作業 (2 週間以内に)

エージェントへ書類返送 (エージェント依存の内容なので、参考程度に)

  • 業務委託基本契約書 (収入印紙添付)
  • 情報管理に関する覚書
  • 発注請書 (収入印紙添付)
  • 使用印鑑届の原本

収入印紙はコンビニや郵便局で購入出来る

市役所

  • 提出物
    • 国民年金の申請
      • 必要な手続きは自分の市役所のサイトで確認
      • 退職日が分かる、健保資格喪失証明書や離職票などが必要。基礎年金番号が分かる年金手帳が必要
      • 申請書のダウンロードはなし (少なくとも自分の市では)
    • 国民健康保険の申請
      • 会社員の時に加入していた健康保険組合の任意継続保険を選んだ場合は、国保の手続きは不要。任意継続保険から国保への途中切り替えは可能だが (納付しないと自動で任意継続保険は終了になる)、逆は不可なので国保を選択する場合はその点を踏まえた上で選択すること
      • 必要な手続きは自分の市役所のサイトで確認
      • 退職日が分かる、健保資格喪失証明書や離職票などが必要。マイナンバーが分かる通知カード等が必要。本人確認が可能な免許証が必要
      • 申請書のダウンロードはなし (少なくとも自分の市では)
    • 事業開始等申告書 (提出先によって呼び名やフォーマット、期限などが違うので注意)
      • 市によっては役所への提出は必要ないように見えるが、出来れば一度確認しておいた方が無難
        -> 自分の場合は県税事務所で聞いたら、役所への提出は不要とのことだった

税務署

都道府県税事務所

  • 名前が酷似していてややこしいが、税務署とは別なので注意。自分の地域の税事務所を確認しておくこと
  • 税事務所は県民税関係を担当している。住民税など
  • 提出物
    • 事業開始等申告書
      • 場合によっては、同じ書類を役所にも提出する必要があるらしい。自分の場合は県税事務所の提出時に確認したところ、県税事務所のみで大丈夫だった
      • 個人番号の記入が必要かは、窓口で確認
      • 申請書はサイトからダウンロードできるかも。埼玉であれば 個人事業主の皆さまへのお知らせ - 埼玉県 から可能

開業までのフロー

  1. エージェントへの書類返送
  2. 税務署と県税事務所に提出する書類のダウンロード・印刷と、記入
  3. 離職票、健康保険資格喪失証明書の受領
  4. 税務署で申請 (開業届、青色申告申請)
  5. 県税事務所で申請 (事業開始等申告書)
  6. 市役所で申請 (国民年金国保)

開業後なるべく早めに行いたい作業 (任意)

  • 会計ソフトの購入
    • 青色申告を自分で行うためには、ほぼ必須と思われる
    • 恐らく、freee か Money Forward の 2 択になると思われる。データ入力のスタンスが違うが、どちらも無料で試せるので実際に試して自分に合いそうな方を選べば良い。自分の場合は MF を選択
  • 国民年金基金の加入申請
  • 小規模企業共済の加入申請
    • 資料請求 (資料請求|小規模企業共済(中小機構))
    • 小規模企業共済の提供サービスの利用というよりは、専用の控除枠を使うために利用
    • 申請に開業届の控えが必要だったり、オンラインや郵送は使えず銀行窓口に出向く必要があることに注意

手が空いた時に行っておきたい作業

  • マイナンバーカードの作成 (e-tax 時、青色複式で控除 10 万円アップが可能)

社会保険について

  • 就業時に加入していた保険組合の任意継続保険は、離職時にのみ加入可能。離職時に国保を選択した場合はもう任意継続保険には戻れないので注意
  • 任意継続保険から国保への途中切り替えは可能 (保険料を納付しないと任意継続保険はその時点で終了になる=国保に切り替えが必要になる)
  • 任意継続と国保では、保険料算出に使用する金額の参照先が異なる
  • 任意継続は就業時の標準月額 (純粋に給料のみ) を参照する。そのため、株式利益などその他の金額は影響しない
  • 国保は総所得金額等を参照する。確定申告した場合、特定口座分離課税として計上した株式利益も、この総所得金額等に含まれるので要注意。なお、住民税について株式利益を見ないようにする方式があり、そちらを選べば国保の保険料が株式利益により増加することは防げる。ただ、住民税が決定する前までに市役所に申請が必要
  • 保険組合の健康保険と異なり、国保には「扶養」の概念がない。健康保険の時に扶養に入れていた子供や親がいる場合、国保に切り替えるとそれぞれ国保に加入、保険料支払いが発生する
  • 個人事業主になって数年は収入が急減するなど想定していない限り、基本的に任意継続の方が安く済むと思われる。国保の場合は最大で年 100 万かかる

年金について

自分が購入した参考図書

開業の仕方がわかりやすく載っている。非常にわかりやすいので、右も左もわからない段階での道標になると思う。ただ、内容は薄い (イラスト多用で冊子自体も薄いので、こればかりはどうしようもない)。一番初めのとっかかりには最適かと思われる。

マンガをベースに、開業、事業の進め方、決算方法など幅広く書かれている。ターゲット業種も幅広く、事業計画の立て方や事業の進め方など IT フリーランスなら不要と思われる情報も多いが、個人事業主という枠組みで見るとそういう感じなのかという参考にはなると思う。

内容や範囲、ターゲットは上述の「マンガでわかる個人事業の始め方」に近い。ただ、こちらはマンガベースではなく文字ベース (イラストや図も多用されている) なので、ボリューム的にはこちらの方がやや多い感じ。